大型団地 福祉拠点に 住宅10年計画で国交省 高齢化、地域と連携 

国交省が向こう10年間の住宅政策の方向性を示す「住生活基本計画」の原案が18日、明らかになった。独立行政法人の都市再生機構(UR)が全国に抱える大型団地のうち150箇所程度に介護サービス施設などを誘致し、地域の医療福祉拠点に転用するのが柱だ。不動産市場活性化に向け、中古住宅の流通規模を2025年に8兆円(13年は4兆円)へ倍増する目標も掲げる。(日本経済新聞2016.1.19)

国が重い腰をついにあげたか!となるような記事がありました。空き家対策として本来とは別の用途での使用(用途外利用、転用)を政策面から見直す方針を出したものだと思われます。

 団地に限ったことではありませんが、高齢化は様々な問題を引き起こします。ここでは団地で起きうる問題を例に挙げますが、例えば、低層でエレベーターがない団地であったら、4,5階まで階段なんてのはもちろんのこと、孤独死などといったことも十分あり得ます。

団地内の人口減少は、やはり全国的に見ても問題視されていると思われます。それに対する政策として今回のこの計画ですが、団地はゆとりのある広々とした土地を持っているので、高齢者に向けては良い環境がそろっています。〈高齢者だけでなく、住民、市民みんなに対しても良い環境だと思っています。)

ただ、福祉と一概にいってもそれ自体に解決されていない問題があるように感じました。福祉労働者の激務や低賃金がよくニュースで取り上げられているからです。場所を確保し、地域の拠点とすることは高齢化課題の第一歩となりますが、やはりソフト面での整備も大切ではないでしょうか。

 

「 不動産活性事業で中古住宅市場を活性化する」

マンション立替の法的手続きで代表的なのが「区分所有法」で、実際に建て替えるには区分所有者(住民)の5分の4が必要となります。今回の「都市再生就く別措置法改正案」においては、これを見直し、合意形成条件を3分の2に緩和する方針も出されるということでした。マンション自体の耐久年数は30~50年といわれていますが、実際に建て替えを行うのはなかなか難しいこととされています。そのひとつの大きな要因がこの区分所有法です。今後、いかに新築住宅事業を減らし、中古住宅の市場を活性化するのかというのが今後重要となってくるでしょう。それに対するソフト面の整備がなされることはストック型社会に近づく第一歩ではないでしょうか。

投稿:インターン田中怜(横浜市立大学大学院)