今日、8月8日は「立秋」になります。

季節としては春夏秋冬の4つに分けられ、月としては1月から12月までの12に分けられますが、更に細かく24に分割したのが「二十四節気」でそのうちのひとつが「立秋」になります。この中では秋分、春分、夏至、冬至が有名ですね。

今の時期は暑中見舞いを出す習慣がありますが、この立秋を境に暑中見舞いが残暑見舞いになるというものがあります。秋が立つ日を過ぎるのでこの日からは暑さも残り物ということなのですね。とはいえ残暑の方が暑さを厳しく感じることが多いと思います。

これは直達日射量の一番多い夏至を過ぎて徐々に地中が温められてきてタイムラグがありながら大気中に温熱が再放射されるため、体感的に暑く感じます。日差しだけでもまだ暑いのに地面からの放射熱も受けるわけですからそれは暑く感じて当然といえます。

しかも、現代においては地面はアスファルトで周囲もコンクリートの擁壁などがありますので、これらは熱容量の大きい素材です。つまり直達日射熱をたくさん吸収して再放射しますから、そのような所にいると四方八方から熱にさらされることになります。これでは暑いわけですね。

このように放射による暑さの体感への影響はかなりありますし、周囲に日差しを遮るところがあればその分地表やコンクリートなどの構造物への熱の吸収は抑えることができるといえます。

そして、日差しを遮る要素としては樹木は一番最適といえます。樹木はその茂っている葉により日差しを遮るだけでなく、その葉から水分を蒸発させているので蒸散気化の原理により周辺の温熱を奪い取ってくれますから少しそのあたりの空気温度を下げてくれる効果があります。だいたい1〜2、3度ですが、体感的には相対比較なので涼しさを感じることができます。

このような自然の原理・メカニズムをきちんと捉えることにより環境を整えていくことができます。
これを順に追っていくと居心地の良い住環境のデザインができてくるのですが、このまま書き続けるといつまでも記事を公開できないのでまた別の記事にて書いていきたいと思います。

ということで、立秋に合わせて今時期の暑さについて考えてみました。

合わせて関連過去記事もご覧ください。

冬至と住宅

夏至と住宅

夏至と住宅

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12月21日は日本では季節の変わり目として毎年話題になる冬至です。せっかくの記事を書くのには良いネタであるにもかかわらず、すでに冬至の日に間に合わないままめげずに記事を書いています(笑)

冬至といえば柚を思い浮かべるのが普通のひとかと思いますが、建築クラスターは太陽高度が一年で一番低い日であるとか南側鉛直面の日射量が多い日だとかで話題になる程度のオタクぶりを発揮する日になります。

太陽からの電磁波は人間からすると光と熱というエネルギーをもたらしてくれています。

日照(光)の面でいえば、一年で一番日が短い、つまり可照時間が最短となります。冬至の日は日出7:15で日没16:45ですので可照時間は9時間30分となります。ちなみに夏至は可照時間が最長で、日出4:45の日没19:15となり可照時間は14時間30分となります。冬至と夏至で5時間もの差があるという訳です。

次の日照(熱)の面からすると、外壁や屋根の受熱量が冬至と夏至では違うことになります。
正午(南中時)における太陽の高さ(太陽高度)は緯度によって異なります。東京近辺(北緯35度付近)の場合、冬至の太陽高度は約30度程度であり、夏至の太陽高度は78度程度となります。
受熱量については、太陽の電磁波がまっすぐ鉛直にぶつかる角度が一番受熱量の多い状態になります。
たとえば上記の北緯35度付近で夏至における太陽高度を考えてみると、夏至の日は太陽高度が78度であれば水平の面(フラット屋根など)には90−78=12度(入射角といいます)となりますが、鉛直面(外壁など)には入射角78度となりますので、外壁より屋根の方が受熱量が多いと分かります。
同じように冬至における太陽高度は、水平の面で90−30=60度となり鉛直面で30度となりますので屋根より外壁の方が受熱量が多いと分かります。
これらは入射角が小さい方が受熱量が多いということになりますので、大小関係でいえば
夏至水平面(12度)>冬至鉛直面(30度)>冬至水平面(60度)>夏至鉛直面(78度)
という関係になります。
ちなみに、入射角が同じ場合は受熱している時間で大小関係が決まります。

このようなことを考えながら、上手に太陽の光や熱を取入れたり入らないようにしたりする技術がパッシブな手法であったり断熱の手法であったりします。

図を作成していないので分かりづらいかもしれないですが、とりあえず記事公開しておきます。スケッチを書いたら追記で掲載するようにしましょう(いつできるかしら^^;

初稿2018.12.22

夏至と住宅

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