前の記事でnLDKの語源的なお話しを書きましたが、そこで登場した
「DK」でもうひとつ注目する点があります。
それはシステムキッチンの原点といえる「ステンレス流し台」です。
公団は女性初の一級建築士「浜口ミホ」と共同で「ステンレス流し台」を
開発し、「食事用テーブル」とともにDK へ備え付けました。
このことにより、それまでの土間の洗い場、ちゃぶ台での食事から開放され
公団の2DK等のすまいはモダンなイメージと共にあこがれのすまいとして
定着していきました。
さて、このように当時は革新的と考えられた「nLDK」とシステムキッチンですが
現在の住環境を改めてみたときにいまの私たちの生活にフィットしているでしょうか?
生活環境や生き方の変化、また物価や技術などなど、当時とは多くの点で
異なる環境で生活しているにもかかわらず、住まいの考え方が当時と同じまま
というのはやはりベストとはいえないかと思います。
また、それぞれの住まい方・生活環境が多様になっている現在は、各人・各ご家庭
それぞれにベストな状態はちがいます。
私たち日本人の生活・環境の変化を理解しながら、より快適で居心地のよい
すまい方を求めていくのは自然なことですね。