Sa-House

定気法による夏至(世界時)によると6/20(22:34)は夏至でした。日本の日付的には6/21になるそうですが、この日は一年で一番昼間が長い日ですね。

東京近辺(北緯35度)あたりですと、正午(南中時)の太陽の高さは地面から78度になります。また、日の出の位置が実は真東よりも北側であり、日没も真西よりも北側になります。

そして、この日は実は屋根の太陽からの日射熱取得量がとても多い日でもあります。2寸勾配からフラット屋根などですと、ほぼ垂直に日射熱が当たってくるので相当な受熱量になるという訳です。

このように、夏季においてはとりわけ外壁などの垂直な面よりも水平面である屋根面のほうが受熱量が多いことより、断熱材は壁よりも屋根断熱の方が多く入れている訳です。

改正省エネ法などに出てくる断熱材の部位ごとの量は、このような受熱量などの観測測定したデータを元に算出されています。

さて、本記事では夏の時期をテーマに住宅を考えてみたいと思います。

日本は高温多湿のモンスーン地域です。そして南北に長いため、冬場は地域により最低気温がかなりことなりますが、夏場における気温はおおむねどこも30度近辺となります。そのため、夏の過ごし方を考える時、暑さを防ぎたいと誰もが思います。逆に冬はとりわけ北の地域では寒さをしのぎたいと感じます。

japan_nanboku
その手段としては、建物の形や断熱を気にしながら設計をし、必要に応じて設備機器の導入をすることになります。

夏であれば室内に熱が入らないように工夫をし、風通しを良くすることで体感温度を下げます。また、夜間に外気を取り入れ、室内の物体に冷熱を蓄えさせておきます。すると、朝起きてから昼頃までの涼しさを輻射冷熱により涼しさが得られます。このようにいろいろな工夫をした上で、足りない涼しさを空調設備、つまりエアコンで補うようにすると光熱費も抑えられるし体にかかるストレスも少なくてすみます。

passive_knowhow001.001

図は実際の設計をした建物の例です。
(アイキャッチ画像の写真、住宅実例「太陽と風の家」になります。)
夏場においては主に3つの要素を考慮しています。つぎにそれぞれご紹介しましょう。

1.昼光の利用
・目的
 昼間の明るさを住宅室内に取り入れ人工照明の利用を減らすことができます。
・効果
 照明エネルギーを 2~10% 程度の削減が見込まれます。
・方法
 建物に吹抜けを計画し1階だけでなく高窓からも明かりを取り入れます。これにより室内の明暗が程よい状態となり均斉度も程よいコンディションを保てます。

2.自然風の利用
・目的
 夏期夜間や中間期に外気を取り入れ室内を涼しく保ちます。
・効果
 冷房エネルギーを 10~30% 程度の削減が見込まれます。
・方法
 室内の窓を下部と上部に計画し重力差(温度差)により風がなくても空気が動く(換気)ようにしています。また、夜間に外の空気を室内に取り込み冷たい空気を溜める(冷熱蓄熱)ことができるようにキッチンは土間タイルにしています。朝は窓を閉めて暑い空気が入らないようにすることで、蓄えられた冷熱が室内に再放射されて涼しさが得られます。

3.日射熱の利用
・目的
 冬期に開口部から日射熱を取得し、蓄熱して夜間に利用します。
・効果
 暖房エネルギーを5~40% 程度の削減が見込まれます。
・方法
 夏においては熱を入れたくないので、夏至の日のこの建物の地域(約北緯35度)における太陽高度約78度にて陽射しが建物内に入らないように屋根や庇などを計画しています。

TERRAデザインでは快適な暮らしをご提案します。
土地探しからご検討されている方、お住まいの建替えやリフォームをお考えのみなさま
お気軽にお問い合わせ下さい。
お問い合わせはこちらをクリック