カヤックLOVING×Airbnbのアイディアコンペ
「訪日観光客を楽しませるには?面白いホームシェアリング団地を考えてください! 〜世界に開かれた、住み継ぐ未来の団地の形〜」
にてエントリーしたところ「カヤックLIVING賞」をいただき、本日発売のPEN+に掲載されました。

カヤックLIVINGのコンペ公式サイト
https://airbnb.sumika.me/

PEN+コンペ掲載号
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484147602/magazine-data-22/

どちらも提案の一部のみ掲載なのでこちらで全編公開します。
一定期間が経過しましたら弊社作品ページへ移設します。

訪日観光客を楽しませるには?面白いホームシェアリング団地を考えてください! 〜世界に開かれた、住み継ぐ未来の団地の形〜
【カヤックLIVING賞受賞】

 

訪日観光客を楽しませるには?面白いホームシェアリング団地を考えてください! 〜世界に開かれた、住み継ぐ未来の団地の形〜
【カヤックLIVING賞受賞】2枚目

 

訪日観光客を楽しませるには?面白いホームシェアリング団地を考えてください! 〜世界に開かれた、住み継ぐ未来の団地の形〜
【カヤックLIVING賞受賞】3枚目

団地という資産を考えてみると、建物は古いため物理的には修繕や耐震の問題がありますが、その昭和な生活感やそこで生きてきたひとの日本らしい食文化や暮らし方が今も息づいています。

そのノスタルジー感は、現代の若者や海外からの来訪者からするととても新鮮で魅力的に感じているかと思います。ほかにも色々な魅力を見つけ出すことができるわけですが、おそらく各団地ごとにその文化は固有のものであり多様性があるかと思います。

一方で、それらを活かすスキームがそれぞれの団地の中で形成されずに現在に至っているところが多いかと思います。

そこで、ホームシェアリングという方法を活用した提案をしています。
本提案はアイディアというだけでなく、実際に運用するスキームも検討しておりますのでやってみたいという団地があれば企画提案することができます。

詳しい解説は作品ページに移行する際に述べたいと思いますが、まずは速報としてブログ記事化しました。

詳しいことを聞きたいという方はお気軽にお問い合わせください。

コンサルティング、ブランディング、建築設計だけでなく
ショップデザインやWEBサイト制作運用までトータルにご提案致します。
お気軽にお問い合わせ下さい。
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私はミーハー気質なところがあるので、話題の映画や音楽などはある程度チェックするのですが、今回、日本経済新聞2016年4月30日付に気になる記事があったのでご紹介します。〈団地〉を題材にしている映画の話です。

 

阪本順治さんと是枝裕和さんのお二人が団地を舞台として映画を撮られました。『団地』と『海よりもまだ深く』の2本です。以下あらすじです。

舞台は大阪近郊にある古ぼけた団地。山下ヒナ子・清治の夫婦は、二人きりでひっそり暮らしている。半年ほど前、とある事情で家業の漢方薬局を廃業し、ここに引っ越してきたばかり。毎日、ヒナ子はパートの仕事に出かけ、清治は植物図鑑片手に裏の林を散歩三昧だ。どこか世を捨てた雰囲気に、隣人たちは好奇心を隠せない。ある日、団地内のちょっとした事件をきっかけに、ヘソを曲げた清治は床下の収納庫に潜ってしまう。「僕は死んだことにしてくれ!」。それから二か月──。団地からふっつり姿を消した清治について、ご近所では失踪説が流れていた。何ごともなかったかのように淡々とパートに通い続けるヒナ子。「山下さんていう人、殺されてると思う」。やがて、ある主婦が思わず口走った言葉をきっかけに噂は一気にエスカレート! 団地中を妄想が渦巻き、マスコミの取材クルーまでドッと押し寄せる。さらに、奇妙な立ち居振る舞いの青年が、山下家を訪れて……。(映画「団地」公式サイトよりhttp://danchi-movie.com/

笑ってしまうほどのダメ人生を更新中の中年男、良多(阿部寛)、15年前に文学賞を1度とったきりの自称作家で、今は探偵事務所に勤めているが、周囲にも自分にも「小説のための取材」だと言い訳している。元妻の響子(真木よう子)には愛想を尽かされ、息子・真悟の養育費も満足に払えないくせに、彼女に新恋人ができたことにショックを受けている。そんな良多の頼みの綱は、団地で気楽な独り暮らしを送る母の淑子(樹木希林)だ。ある日、たまたま淑子の家に集まった良多と響子と真悟は、台風のため翌朝まで帰れなくなる。こうして、偶然取り戻した、一夜かぎりの家族の時間が始まるが―。(映画「海よりもまだ深く」公式サイトよりhttp://gaga.ne.jp/umiyorimo/about.html#intro

団地の良さというか、抱えている問題をうまく活用しているように感じます。普通の住宅地ではなく、団地を舞台として選ぶ理由が両方にしっかりあるので面白そうです。団地にお住まいだった方は懐かしく感じる場面もあるかもしれませんね。

 

「団地」は戦後の住居不足の解消として全国に数え切れないほど建てられました。かつて団地に住むということが1つのステータスとして考えられていましたが、今日の少子高齢化時代に取り残されたかのように感じるものも少なくありません。エレベーターがないので上階に住む高齢の方は大変な思いで暮らしているかと思います。また、かつてあった活気も今や当時の面影すら残っていない地域も多く見られます。

私自身、団地に住んだ経験はありません。上京し、今住んでいる近辺には小規模団地がいくつかあり、大学に向かう度に通るのですが、なんだか物淋しい雰囲気がひしひしと伝わってきます。本当に昔は活気溢れていたのか??と毎回のように思います。最近、近所にあった公営団地のひとつはいつの間にか跡形もなく更地になっていました。

「海よりもまだ遠く」の監督を務めた是枝監督はそんな団地に「ここまで人工的なものに郷愁を感じるのは面白い」と言っていて、確かにそんな”哀愁”のようなものが現代の団地の味なのかもしれません。

この頃、映画館で映画を観れてなかったのでこれを機に2本ハシゴできるような日を作って観に行きたいと思います。

投稿:インターン田中怜(横浜市立大学大学院)

1955年に日本住宅公団(現UR都市機構)が設立され、日本中に”団地”と呼ばれる集合住宅が急速に供給されました。

そんな団地も今や築30年以上を迎えるものが多く、時代に取り残されたかのように感じるものも少なくありません。

 日本経済新聞(2016年4月22日付)にこのような記事が記載されていました。

「【団地再生へ交流の場】県公社「二宮団地」戸数を3割減

神奈川県住宅供給公社は老朽化した「二宮団地」(二宮町)の再生に乗り出す。

住民の高齢化などで入居率が6割を切っているため、賃貸住宅28棟のうち10棟を解体し、戸数も約3割減らす。同時に入居者を呼び込むため、共同農園や調理設備を設けるなど、新たな魅力づくりも進める。」

 

二宮団地は1968〜1971年に建てられ、築48〜45年のいわば高経年の団地。

それと共に住民の高齢化も起こり、また都心部への人口集中などの要因から、上記のような問題が起こっています。

 こういった問題を抱えている団地はもはや珍しいものではなくなっています。空き家空き地が増えた住宅地は防犯や経済力と言った様々な問題を引き起こし、地域の魅力低下に直接的に影響してしまいます。

この二宮団地の団地再生キーワードとして『付加価値』があります。

『海や山が近いといった自然環境に恵まれ、竹林や果樹園なども身近にあることから「里山」をコンセプトにしたまちづくりを進める。』(日経 2016,4,22より)

 

二宮町は都心から電車で約1時間、とても自然豊かな土地の地域で、県公社はこのような自然環境の豊かさという魅力を二宮団地の「売り」として再生を進めて行く方針です。

また、棟数を減らした分、駐車場や高齢者向けの福祉施設、農園といった現代社会のニーズに沿ったものを整備し、築40年ともなると、現在の暮らし向きにも合わず、老朽化の解決のため小田原産の杉などを使ったリノベーションも施す予定だという。

 今後、日本社会はどんどん高齢化が進み人口が減少していく中で”今あるものをうまく使う”ということが鍵になってくるのではないでしょうか。

 投稿:インターン田中怜(横浜市立大学大学院)